ポストcookie時代にマーケターはどう備えるべきか

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ポストcookie時代にマーケターはどう備えるべきか?今回は目的ドリブンなデータ活用により顧客への新しい提供価値の創造を支援する株式会社ビーアイシーピー・データ 代表取締役 渡邉 桂子氏に記事を提供いただいた。

 

目次

1.マーケターにとってのポストcookie時代とは

2.cookie黄金時代のおさらい

3.規制の本質とはなにか

4.データにおけるサステナビリティ

5.何から取り組むべきか

6.おわりに

マーケターにとってのポストcookie時代とは

 

最近、ポストcookie時代という言葉を多くの媒体で目にするようになった。ポストcookie時代とは一体何のことなのか。法律的な目線ではなく、マーケター目線で解説をしてきたい。

cookie黄金時代のおさらい

マーケターにとっての関心ごとは、「マーケティングにおけるデータ活用にどのような変化が訪れるか」なのではないだろうか。長らくの間、cookieという技術をベースにアドテクノロジーが進化を遂げてきた。技術の進化とともに、サイト内外を横断して実現できることが増え、カオスマップはアドテクノロジーからマーケティングテクノロジーへと対象を広げていった。cookieが担う役割も、自社サイト外の広告施策だけでなく、自社サイト内のコンテンツ最適化やサイト訪問者の属性把握、顧客管理システムとの紐付けなどにまで広がり、重要性を増していった。ここ数年の流行りとして、「データプロジェクト」と称して各企業にプロジェクトチームや部署が立ち上がり、DMP/CDPの導入推進がされてきた。導入成果は明暗が分かれるところだが、データ活用目的不在のまま仕組みだけを導入した結果、使われないままスタックしてしまった企業も多いと聞く。データ活用が進んでいる企業の場合は、cookieを極限まで名寄せしてIDに紐づけ、マーケティング施策に活用する壮大な計画のもとに様々なテクノロジー基盤を整えるに至っている。さて、このような状況に対し、ポストcookie時代がもたらす変化とは一体どのようなものか。

 

postcookie1

 

規制の本質とはなにか

cookie黄金時代とは、進化したテクノロジーにより実現可能になった、いわば勝手データ(同意なしデータ)が横行する時代。緩いルールの下で勝手データの収集・乱用が横行し、技術の進歩もあいまって、いよいよ生活者の人権を侵害してしまえるほどの影響力を持つことになった。それを受けてGDPRやCCPAといった法律が整備された。法規制の圧力も受けつつ、大手プラットフォーマーも自主的に規制をしはじめた。結果として、3rd party cookieの終焉が訪れたのだ。マーケターから見ると「ここまで準備してきたことが無駄になってしまう」とか、「どうしてこんなに窮屈な世の中になってしまったのか」と感じるかもしれない。けれど、マーケターの役目の1つが生活者を深く理解することなのであれば、ここで理解するべきは、【生活者は、自身のデータが企業によって乱用されることに対してNO!と声をあげた】という事実であると思う。個人情報保護法が欧米ほど厳しいルールを設定していないからといって、日本法下で適法である状態を目指すのではなく、生活者の意思を尊重する形で、データ活用の在り方を模索していくのが一見遠回りだが最良の選択しだと信じている。

 

データにおけるサステナビリティ

プライバシー保護への対応というのは、環境問題への対応に似ている。「左右を見ながら合わせて対応していけばいいのでは」という感じで、今ひとつ自分ごと化がしにくい。そのような状況下で、率先して対応していくことは、企業の意思表示となり、今後、生活者に選ばれるプラス要素となり得る。例えば、海洋プラスチックゴミの問題。スターバックスは2018年7月に、「2020年末までに全世界のスターバックスにおいて使い捨てのプラスチック製のストローを全廃する」と発表しており、日本も2020年の3月までに1,500店を超える店舗において紙ストローの提供完了を予定している。ストローの包材には、サステナブルな未来を目指すスターバックスの想いが記されている。このように、プラスチック製ストローの廃止がルール(法律)になる前から行動を起こし、世の中の在り方をどう変えていきたいのか、企業自ら体現している。この姿勢が、スターバックスのブランド力であり、顧客に積極的に選ばれる理由の1つになっていると感じる。

 

企業にとってのデータ取り扱いスタンスも、同じように捉えることができるのではないだろうか。データの取り扱いに対する社会の目が厳しくなり、ルールも厳格化された。そこで「守り」に入りデータの利用に消極的になるのではなく、預かったデータをいかに価値にして生活者に戻していくのかという「攻め」の姿勢。それを追求していくことが、ブランド力の向上に繋がるのだと感じている。最近の例だと、コロナ禍のステイホームの流れで大幅に会員を増やしているNetflixは、一定期間サービスを利用していない会員が課金され続けないよう、契約を継続するか確認すると発表した。反応がなかった場合、自動的に解約されるとのこと。解約忘れのチャリンチャリンモデルをよしとせず、解約忘れが発覚した際の会員のがっかりとした気持ちに寄り添う方が大切である、つまり顧客のことを一番に考えていますよ、ということを行動を持って示した良い例である。企業と顧客のサステナブルな関係性は、このような実践の中で育まれていくのだ。

 

何から取り組むべきか

これから、日本企業は具体的に何から取り組んだらよいのか。顧客との新しい繋がり方、とは具体的にはどんなことなのだろうか。

 サイト上の実作業としては、データ利用に対する『同意を取得・管理する仕組みを用意する』ことなのだが、本当に大切なのは「何をもって同意をしてもらうか」の設計である。大げさに聞こえるかもしれないが、言い換えると「自社に共感し、支持してもらえるか」ということだ。サイト上で表面的な法律準拠の仕組みを導入しても、多くのサイト訪問者は自身のデータがよく分からない状態で利用されることに対して「拒否」または「保留」を選択するだろう。だからといって「拒否」や「保留」を選択したサイト訪問者が顧客でなくなるわけではないし、GDPRでは、同意を拒否した生活者も等しくサービスを受ける権利があると補償している。(つまり、cookieポリシーに同意しないと記事が読めません、というのはGDPR違反に該当する)一方で、本当に喜んで「同意」をしてもらえるような価値が提示できるのか?という問いは、自社サービスに対する根源的な問いであり、場合によってはサービスの在り方から見直すことが必要になる。

まだ、正解がない世界の話のため、これが正解とは一概に言えないが、今の日本においては、まずデータに対する意識の変革が第一歩だろうと感じている。段階的にステップとして纏めてみるとこのようになる。

 

ステップ1:データに対する認識の転換、社内の意識統一

まず必要なのが社内エデュケーションであり、ベースとなる価値観の統一である。「オンライン上のデータも同意を得て、預かるものである」「データの取得は正々堂々、だまし討ちダメ、ゼッタイ」という意識を徹底すること。さもないと、過去の延長線上で「勝手データを利用したサービス開発」が進んでしまう可能性がある。データドリブンという名のもと、様々な部署でデータにアクセスが可能な状態が実現できている企業などは、特にデータ活用方針の明文化が重要になる。

 

ステップ2:自社が収集データ、利用しているデータの現状把握

次に必要なのが現状把握。技術的な観点で言えば、自社サイトにおけるタグの埋め込み状況や、データの引き渡し状況等が正確に把握できていない企業が大多数だ。特に、ピギーバックという名のもと、1つのタグからいろいろなアドテクベンダーのタグが知らないうちに呼び出されていることが多い。現行のプライバシーポリシー、クッキーポリシーが実情と乖離していないかも要チェックである。特に、このあたりは、システムを担当する情報システム部門、施策を行うマーケティング部門、ポリシーを管理する法務と、部署が分断するため、整合性がとれない状態に陥りやすい。まずは現状を正しく把握して、改善点を洗い出していく必要がある。

 

ステップ3:データ利用目的の前提となる「顧客ベネフィット」の定義

同意取得には、データ利用目的の提示が不可欠だからといって、「ターゲティング広告に利用します」という目的を提示されて、「それはうれしい!是非。」とはならないものである。そこで必要なのは、過去の延長線上ではなく、新たな「顧客ベネフィット」の提示をすることであり、そこに対する同意とともにデータを預けていただくのが正攻法となる。ただし、サービスそのもののあり方を見直す必要もでてくるので、多くの企業にとって、ここが最もハードルが高いだろう。だからこそ、真剣に取り組む企業は、ゼロパーティデータとして顧客との太い繋がりを構築することができ、取り組みを先延ばしにする企業との間に差が開いていくだろう。

 

ステップ4:同意管理の仕組み・体制の導入

同意管理において、CMP(Consent Management Platform)という新しいテクノロジーソリューションが存在する。CMPを含むプライバシーテックという分野が盛り上がりを見せ始めていて、CMPは確かに同意管理の煩雑な手続きを一部肩代わりしてくれる。ただし、CMPがプライバシー規制の課題を解決してくれる救世主というわけではない。同意管理は表面的な仕組みではなく、顧客体験の一部だと認識しておくことが大切だ。CMPの導入や、CDPでのデータの持ち方、CRMでのデータの使い方、そして同意のモチベーションを高めるためのコミュニケーション、顧客の知る権利への対応、すべてを含めて「仕組み・体制」を整備する必要がある。

 

おわりに

ポストcookie時代とはなにか、マーケターに必要とされるアクションはなにか、について、何かしらの気づきになっただろうか。プライバシー規制は不可逆的な流れだが、生活者にとってより良い社会を実現するために必要不可欠であり、企業は継続的な信頼関係を築く努力をすることが新たなスタートラインである。大前提として、生活者と正々堂々向き合い、データ取得においてのだまし討ちは厳禁、と心に留めていただきたい。

テクノロジーとデータで実現可能なことが飛躍的に増えてきた。技術的には可能だが倫理的にどこまでやっていいのかという判断が難しいというケースが発生した際に、倫理的、の部分できちんと主義を持っている企業が今後生活者に支持されることは間違いないだろう。

 

 

【参考 出典元】

Netflixがアクティブではないゾンビ顧客に対してサブスクの自動キャンセルを開始

https://jp.techcrunch.com/2020/05/22/2020-05-21-netflix-to-start-cancelling-inactive-accounts/

 


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