2020年１月29日に弊社東京本社にて、「クッキー等規制対応の重要ポイント」と題しセミナーを実施させて頂きました。本ブログ記事では、前編「各国のクッキー等規制の概要と遵守対応のポイント」・後編「導入からサポートまで！OneTrust社Cookieツールで万全な対策を」の2回に渡り、セミナーでの講演内容を要約してお伝え致します。今回は、前回に引き続き後編をお伝えします。
「導入からサポートまで！OneTrust社Cookieツールで万全な対策を」
（登壇者：IIJビジネスリスクコンサルティング本部シニアコンサルタント シュトゥルーヴェ ライマー／槙 拓也）
①クッキーバナー実装の事例紹介
今、鎌田が申し上げたように、EUであれば、EUのクッキー規制に即した方法で「情報提供」と「同意の取得」を行う必要があります。例えば、クッキーの利用を説明した上で、利用者がウェブサイトの閲覧を続けたのならば同意したものとみなすことは、明確な同意を取得したとはいえません。したがって、「このウェブサイトの利用を続けることで、あなたのデバイスにクッキーを埋め込むことを同意したものとします」とバナーを出して、「OK」をクリックさせるような実装はよくありません。
また、クッキー利用に同意しなければウェブサイトの閲覧ができない、いわゆる「クッキーウォール」は、同意と拒否の選択ができないので、任意性のある同意を取得したとは言い難いです。したがって、クッキーウォールとなっている実装も好ましくありません。
他方、アメリカのカリフォルニア州であれば、デフォルトでクッキーを利用できますが、消費者に分かり易い場所にクッキーを利用することについて説明をした上で、消費者がクッキー利用を拒否できる方法を提供する必要があります。
②OneTrust社のクッキー同意管理バナー
今までの話を総括すると、同じウェブページであっても、閲覧する人によって適用される規制が異なり、規制内容が異なることから、表示させるべきクッキーバナーも異なってきます。
そこで、OneTrust社のクッキー同意管理バナーを説明させていただきます。まずは、同製品の機能の概要についてまとめた動画をご覧ください。
ご依頼を受けたサイト（ドメイン）を入力すると、そのサイトのスキャンを始めます。スキャンによって、そのサイトが使っているクッキーの内訳が示されます。内訳というのは、先ほどの説明にありました「必須クッキー」「広告目的クッキー」「アナリティクス目的クッキー」などの目的別の内訳です。スキャンが終わると、ダッシュボードにスキャン結果のサマリが表示されます。このスキャンは導入時のみならず、定期的に行われます。サイトの内容は日々変化したり、追加されたりするからです。
スキャンが終わると、クッキーバナーやクッキー設定画面の設定になります。ウェブページの色合いや雰囲気に合わせて、色や表示方法、会社のロゴを入れる、といった設定が行えます。そのウェブページのプライバシーポリシーへのリンクなども設定していきます。
次に、ジオロケーションルール、すなわち国や地域を設定します。設定すると、閲覧者が利用しているIPから閲覧者が所在する地域を割り出し、その国や地域の言葉で、その国や地域の規制内容にあう表示のクッキーバナーが設定されます。
同意を取得するまで必須クッキー以外の情報を取得しないという、クッキーのオートブロッキング機能も設定できます。
もちろん、同意を取得した場合の記録も残ります。
最後に、設定したクッキーバナーの表示を検証することができます。閲覧する国を選ぶと、その国から閲覧した場合に表示される画面がでてくるようになっています。
③IIJプライバシー保護規制対応支援サービスのご紹介
IIJでは、2月3日より、今ご紹介させていただきましたOneTrust社のクッキー同意管理バナーのライセンスの販売及び日本語による導入サポートの提供を開始します。
お客様自身がOneTrust社のクッキー同意管理バナーの実装を実施することもできますが、導入作業の支援も弊社でご提供できます。
サービスに関するお問合せ方法や、料金、ご購入方法については、下記ページよりご確認頂けます。是非ご検討ください。
https://cookie.bizrisk.iij.jp/
<本ブログ上では、端末装置への読み書きを行う技術全般、Webサイトやモバイルアプリで
利用される他の追跡技術も含め、便宜的にクッキー（Cookie）と記載しています>
-
クッキー関連のニュース
-
国内外のクッキー規制対応（ナレッジベース）
-
データマッピング&プライバシーリスク評価ツール導入・運用支援の紹介
