目次
・おわりに
OneTrustにはクッキーバナーのA/Bテストができる機能が備わっています。クッキーバナー実装後、同意取得率が思うように上がらないという場合、最適な場所に最適なバナーが表示されていないのかもしれません。それを確認、検証できるのがA/Bテスト機能です。本記事ではOneTrustのクッキーバナーにおけるA/Bテストの機能や設定方法のイメージを紹介します。
なお、A/Bテストを行うためには、OneTrustのライセンス料とは別にオプション費用が必要です。詳しくはこちらからお問い合わせください。
ウェブマーケティングにおいて、コンバージョン率(CVR)やクリック率(CTR)が上がらないときに利用するテスト手法のことを一般的にA/Bテストと呼んでいます。
ウェブページやバナー、広告文などを最適化するために、ユーザーに表示する内容の要素の構成を変更した「Aパターン」「Bパターン」を作成します。そして、両方のパターンをユーザーに対してランダムに表示して、それぞれのパターンにおける成果を比較し、より高い成果を得られるパターンを見つけていきます。
なお、2パターンではなく、3パターン以上がランダムに表示されるテスト手法は多変量テストと呼ばれていますが、本記事では3パターン以上の比較も便宜上A/Bテストと記載します。
ポップアップ表示されるクッキーバナーの文言、レイアウトやカラー、ボタン配置等を変更して、同意取得率が高いクッキーバナーを見つけることができるのがOneTrustのA/Bテスト機能です。例えば、オプトイン形式でのクッキーバナー同意取得率がなかなか上がらない場合等に、利用をおすすめするものです。
OneTrustのA/Bテスト機能では、テンプレートを最大3パターンまで比較するテストを行うことができます。
【A/Bテスト設定画面のイメージ】
A/Bテスト機能では、ウェブサイトにアクセスしてきたユーザーに対して、文言、レイアウトやカラー、ボタン配置等を変更したテンプレートがランダムに表示され、テンプレートごとの同意取得率を集計していきます。そして、同意取得率がもっとも高いテンプレートを採用することができます。
OneTrustのテストセンター画面からA/Bテストの設定を行うことができます。A/Bテストがスタートすると、OneTrustツールの[レポート]タブからテスト結果を確認できるようになります。
A/Bテストの作成はジオロケーションルール(※)ごとに設定できますので、地域ごとに同意取得率が異なる場合でも、その地域で最大の同意取得率を持つクッキーバナーを見つけることが可能となります。
※ジオロケーションルールについての詳細は、こちらの記事をご覧ください。
A/Bテストが終了すると、テンプレートを更新し、A/Bテストの結果に基づいてクッキーバナーを最適化できるようになります。このA/Bテストで取得された同意情報は通常の同意ログと同じ方法で保存されます。
同意取得率を上げることは企業にとって非常に大切なことですが、サイトユーザーを企業側に都合よく、無理やり同意へ誘導するようなインターフェースはダークパターンとされ、プライバシー保護規制上も違法と判断される可能性がありますので、その点はご注意ください。クッキーバナーは本来、プライバシー保護規制対応や、企業の透明性を示すためのものであるはずですが、ダークパターンを使ってしまうとそれは逆効果になってしまいます。あくまでダークパターンを回避したうえで、A/Bテストの機能を最大限に活かして、自社に最も適した、そしてユーザーからの信頼を獲得できるクッキーバナーを見つけて頂ければと思います。ダークパターンについては事例も交えてこちらのeBookで詳しく解説をしていますので、是非参考として頂ければ幸いです。
今回は、OneTrustのクッキーバナーのA/Bテスト機能についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
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